「男物着物」と「女物着物」の見分け方。間違えると恥ずかしい!
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間違えて女物、着てたりしないですか……?
新品の着物をインターネットで注文したり呉服店で仕立ててもらったりする分には
「男性用の着物である」ことが明確ですが、
古着屋さんやネットオークションででリサイクル着物を探す時には、
男物なのか女物なのかよく見極める必要があります。
特に、ネットオークションでは着物に詳しくない人が
「押し入れから出てきた古い着物です。多分おじいちゃんのです」
といった感じで出品していることも多く、
おじいちゃんのだと思ったらおばあちゃんのでした、という可能性も大いにあります。
「これどうみても女物じゃね?」というものだったり。(経験有)
そこで!
「男物と女物の着物の見分け方」について解説していきます。
雑な見分け方
これはあえて解説するほどでもないんですが、
男物は地味な色柄、女物は華やかで明るい色柄のものが多いです。
ただし例外もあるわけで。
男物にも派手なものはありますし、逆に女物でも、紬などは基本、地味です。
色柄で見分けが付かない時はどこを見たら良いのか。
袖付けと身八つ口
間違いなく断定できるポイントとして、袖の付いている部分の形(袖付け)があります。
男物では袖の付いている部分が閉じているのに対して女物のでは開いていて、
さらに「身八つ口(みやつぐち)」と呼ばれる穴があります。




着物の大きな袖はちょっとしたものを入れてるのに便利なのですが、
女性の場合は内側から落ちてしまうのであまり重いものを入れられませんね。
ちなみに「身八つ口」は衿元の着崩れを直すときに、
ここから手を入れて調整をするための穴です。
脇から手を突っ込めることが分かったからって悪用してはいけませんよ。
身丈と裄の長さ
しかし実際に手に取れるならともかく、
写真を確認するしかないネットオークションなどでは、
袖付けのあたりが分かりにくい場合もあります。
そういう時に確認するのが身丈と裄の長さ、つまりサイズです。
女性の着物の着付けには「おはしょり」といって着物を帯の下で折り畳む工程があるので、
折り畳む長さの分男物よりも長く仕立てます。
しかし、裄の長さは女性の方が特に長いわけではない。
むしろ体の大きな男性の方が長くなります。
つまり「身丈」と「裄」を見た時に、
裄の割に身丈が長くなっているものは女物であるということです!
着物の仕立て寸法表の一例を以下に引用します。
<女性もの>
M(160cm) 身丈160/裄66
L(163cm) 身丈163/裄68
LL(168cm) 身丈166/裄69.5
<男性もの>
M(165cm) 身丈140/裄72
L(170cm) 身丈144/裄74
LL(175cm) 身丈151/裄76
どうでしょう。
身丈は女性の方が長く、裄は男性の方が長くなっています。
「身丈が150センチ以下なら多分大丈夫」と思っているとそうでもない。
昔の人は小柄でしたので、そういう男物っぽいサイズでも
実は女性用ということがある。古いものは特に要注意ですね。
衿の形に注目
身八つ口の様子が分からず、サイズも特に書いていないっぽい。
そんな場合は衿の形で見分けられることもあります。
男物の着物は「棒衿」といって、衿幅が一定の幅のまま変わりませんが、
女性ものには「広衿」「バチ衿」といって、比較的衿が太くなっているものが多くあります。
着る時に半分に折るようになっているんですね。


ただこの見分け方は精度が100%ではない……
というのも、女物でも棒衿の着物がありますからね。
ただ、ここまで見て判別できないということは間違えていても気づかれないということなので、
気に入ったものならもう手に入れるしかないようにも思います。
まとめそして裏ワザ
着物の男物と女物を見分けるには……
- 色や柄を見て判断する
- 袖や身八つ口を見て判断する
- 身丈と裄の長さで判断する
- 衿の形で判断する
だいたいこの手順で見ていけばOKです。
逆に言うと、これらの構造の違いさえなんとかしてしまえば
男性でも女物の着物を着ることできるようになっちゃうんです。
特に身長が高い人は身丈150cm以上のものがたくさんあって選び放題ですから、
ここを無視するわけにはいきません。
羽織を上に着るなどして袖付けと裄の短さが見えないようにすれば
見た目上は「女物を着ている」ことがバレないわけです。
(着心地は微妙かもしれん。自分で試行錯誤してみてください)
少なくともこれで、間違えて女物の着物を着て
「恥ずかし~」という思いはしないで済みます。
しかしながら先ほども書いたとおり、もともと身丈が長く、袖の部分さえなんとかなれば
男物として着ることができるので、
ちょっと着物のお洒落に「ひねり」を入れてみたくなったら、試してもいいかもしれない。
では皆様、よい着物生活を!
かしまさでした。
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