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日本人男性がいちばん格好よく見える服装「紋付羽織袴」について。

【この記事は約 19 分で読めます】

「着物を着たい」と思った時に、どういう着物が着たいか、
あるいはどういう着物に憧れを持ったのかは人それぞれですが、
かしまさが一番好きな着物といえば、紋付羽織袴、やっぱりこれなのです。

日本人男性がいちばん格好よく見える服装、それが紋付羽織袴です。

着物を着るのに必要なものについて一通りの説明をしたので、
究極の着物姿である紋付羽織袴について掘り下げて語ってみようと思います。
他にもっと先に説明すべきことがたくさんあるような気がしますが、
思いついてしまったもので。笑

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紋付袴の歴史

Wikipediaで軽く検索してみると、
紋付羽織袴が礼装として成立したのは江戸時代からなんですね。しかも「略礼装」として。

武士はこれ、公家はこれ、庶民はこれ、と身分によって第一礼装は違うものがあったものを
明治時代に1つに統一するにあたり、現在のように決められたようです。

色を「黒」に統一したのは、洋服における礼装(モーニングコート)と一緒に並んだときに
同じような色調になるように合わせた為という説もあります。だから袴が縞々なのも納得。

では次に、紋付羽織袴の構成要素を細かく見ていきましょう。

紋付袴の構成要素

着物と羽織

基本的に着物(長着)も羽織も同じ生地で作ります。アンサンブルというんでしたね。
最も正式には黒の羽二重(はぶたえ)生地のものが用いられます。
ずっしりと重く光沢のある、上質な正絹の生地です。
当然すべすべと肌触りもよく、着ているだけで恍惚とした気持ちになります。
(それは自分だけかも)

黒の他、白や色とりどりありますが、やはり「黒」というだけでも格が違います。

そして紋付羽織袴というくらいですから、「家紋」が入っていることが重要です。
家紋が入っていないと「紋付」羽織袴にはなりませんよ?

両胸のところに1つずつ、左右の袖の後ろ側にも1つずつ、そして背中に1つ、
全部で5つの家紋が入っている「五つ紋」が一般的です。
両胸のところの家紋がない「三つ紋」、背中だけの「一つ紋」のものもありますが、
礼装として着ていく場面で指定がない限りは、
紋付といえば家紋が5つ入っているものと覚えておきましょう。

着姿が完成した時に見えるのは羽織の家紋だけですが、
隠れて見えなくなる長着にもきちんと家紋が入っているのが正式です。

家紋が入っていなかったり、入っている家紋を別のものにしたい場合は、
上から貼り付けるシールが売られているので、それを使えばOKです。

レンタルの着物だと「丸に違い鷹の羽」や「丸に五三桐」の家紋が主に入っています。
そのままでも駄目なことはありませんが、自分の家の家紋に変えたい場合は
こういうシールをもとの家紋の上に重ねて貼ります。
跡も残らず、きれいに剥がすことができるので安心です。

紋付袴というくらいですから、袴も着物・羽織と双璧をなすこれまた重要な存在です。
なんと言ってもやはり、そのシルエットが格好いいと思います。ほんとに。

紋付に合わせる袴として仙台平(せんだいひら)と呼ばれる縞々の生地がよく用いられます

仙台平の生地は硬くパリッとしているので、襞がまっすぐ伸びた着姿が素敵ですね。

縞の太さや色にも様々のものがあって、
若い人ほど太い縞柄、年長者になるにつれて細い縞柄と説明する人もいます。

馬乗袴が正式とされているものの、行灯袴を履いていても
気づかれないことの方が多いかも知れない。
「馬乗袴」と指定されない限りは多分どちらでも問題ないです。好みで。

その他の持ち物

礼装といえば持ち物や小物は「白」と相場が決まっているようです。




長襦袢の半衿も。足袋も。羽織紐も。雪駄の鼻緒も。手に持つ扇子(末広)も
着物の黒に対して小物が白なのでコントラストが際立ちます。

袴と帯だけが唯一自由に色を選べますが、そんなに主張しすぎる色ではないので、
総合的に重厚な佇まいになります。うん、気高くて素敵

また、紋付袴姿の時は、扇子は持ち物として必須になります。

長襦袢自体の色は特に決まっていませんが、
正装の気高さにこだわりたい人は真っ白の長襦袢を用意しましょう。
(半衿と袖口以外は見えないのでこのあたりは「気持ち」の問題です)

同様に着物は見えなくても家紋を入れますが、長襦袢に入れる必要はありません。
家紋の入っている長襦袢は実在しますが一般的なものではないはずです。

紋付袴はいくらする?

さて、ここまで読み進めてきて俄然、紋付袴が欲しくなった方、ちょっと待って

その紋付袴、いつ着ますか?

「今でしょ!」というリアクションを求めている訳ではありません。

礼装、それも第一礼装なのでカッコイイのは間違いないが、
仕立ててからどれくらい着る機会があるのか、数えてみてください。

成人式、卒業式、結婚式……あとは?

日本人男性の大半は着る機会を作ったとしてもおそらく上記3回で目一杯です。
高価なのに登板回数が少ない、その辺を熟考してみてくださいね。

その時だけしか着ないならレンタルや、安い既製品でも間に合うかもしれません。


レンタルと安い既製品では同じくらいの価格から探せるんですね。
もしくは中古で購入するという手段もあります。正絹のものが1万円以下で見つかることもあります。

実は、かしまさの持っている紋付羽織・着物もオークションで入手しました。
袴だけは無理して仕立てましたけどね……。

それでもやっぱり、自分専用の紋付を新品で仕立てたい、
武道などの習い事をしているので今後何度も着る機会がある、
もうとにかくいちばん良いものを所有したい、そんな人は張り切って注文しましょう。

インターネット上で見つけた、正絹の紋付羽織袴と諸々の小物まで含めたセットでは
このサイトで販売しているものが一番安く注文できるようです。

全部で30万を少し超えるくらいですね。
実際に注文していないのでなんとも言えませんが、安いからといって悪いものではなさそうです。
着物屋さんに行って仕立ててもらおうとすると、50万以上、場合によっては100万近いとも聞きます。

先ほども書いたように、「いつ着るの?」というところをよく考えてみてくださいね。
紋付袴を仕立てるお金で普段着の着物が何枚買えるでしょうか

それでも、「まず一張羅から用意する」というのは考え方としてはありだと思います。

普段着としては用いにくい紋付袴ですが、日本人男性の最礼装ですので、
着たときに豊かな気持ちになれるのは確かです。
自分のものを所有するまではいかなくても、何か機会があれば、ぜひ着てみることをおすすめします。

まとめ

  • 紋付羽織袴は日本人男子の最礼装である
  • 紋付袴を着ると日本人男子は一番カッコイイ
  • 全部仕立てると30万円~ レンタルや中古を利用すると1万~
  • 「着る機会」を考えて、場合によっては普段着に予算を回そう
  • でもやっぱりカッコイイよね

もしこれを読んでいるあなたがまだ若くて、成人式や大学の卒業式がまだだとしたら、
そしてそういう機会に着物を着てみようかなぁ? とそこはかとなくでも考えているのなら、
それは絶対にトライしてみるべきです!
大人になってから「やっとけばよかったなぁ……」と思ってももう若いときには戻れないからね。

しかし成人式に着物で出席するというと荒くれ者のイメージがどうしても付きまとうので
(田舎だととくにそういう傾向強いですねぇ)
実際の成人式では着ないけど、着物姿の記念写真だけ残したい、という人もいるかと思います。
着物レンタルのお店ではそういう写真撮影だけのプランも大抵用意していますので、
近所でそういう店を見つけたら問い合わせてみましょう。

あるいは、自分で必要なものを用意して、着付けも覚えて、
完全に自己完結で紋付袴を着て「ひとり成人式」をするというのも、なくはない。
家族と一緒に家で祝う成人式もこれから一般的になっていく気がするんですよね。

というわけで、今回は紋付袴についてまとめました。

では皆様、良い着物生活を!
かしまさでした。