【着物男子のアイテム解説 Vol.4】足袋
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着物のアイテムをひとつずつ紹介していくシリーズの第4回、
今回は「足袋」について説明していきます。
何が必要なのかはこちらの記事にまとめておきました!
また、「着物男子のアイテム解説」のタグから、
個別のアイテム紹介の過去記事一覧を読むことが出来ます。
足袋とは何か
かしまさは足袋を履いている感覚が好きです。
「足袋を履くために着物を着ている」などと言う人もいるようなので
着物男子の大半が同じことを思っていると信じたい。
ひとことで言ってしまえば足袋は「着物の時の靴下」です。
原型になるものは11世紀頃からあったようですが、
現在のようにこはぜ(金具)を使ってかかとで留めるタイプの足袋が出てきたのは
なんと江戸時代になってから。意外に歴史は浅いんですね。
足袋の分類
色による分類
白足袋
名前の通り、真っ白な足袋。
神主さんや巫女さんの仕事着になったり、武道(弓道)の道着になったり、
相撲の土俵や能舞台は白足袋でないと上がれなかったり、何かと特別扱いされています。
礼装用のものと思われがちですが、普段着に白足袋を履いちゃいけない訳ではない。
ただ、汚れが目立つからめちゃくちゃ足下に気を遣います。
黒足袋・紺足袋
白足袋は普段着向きじゃないと書きましたが、
「男性の普段着用足袋」としてよく紹介されるのが、黒足袋や紺足袋です。
色は黒や紺です。そりゃそうでしょうね。
どちらも底だけは白いのですが、底まで全部が真っ黒の足袋を
「からす足袋」とも呼ぶようです。
白足袋より汚れが目立ちにくいですが、
だからといって洗濯しなくて良いわけではありません。清潔が大事。
色足袋
黒も紺も色足袋の一種ですが、それ以外もまとめて「色足袋」と呼びます。
色足袋だけあって色々あります。
市販されている染料を使えばオリジナル色の足袋も作れるかも。
柄足袋
いろんな色があるということは、当然無地以外のものもあります。
和柄に限らず、ポップなものやかわいいものまでこちらも様々。
素材で分類
足袋の素材といえば専ら綿です。
足にぴったりとフィットすることと、丈夫なことが理由のようです。
綿ブロード
激安で売られている足袋はだいたいこれ。
伸縮性はあまりなく、また履いていても畳の目が分かるくらい薄い。
言い換えれば通気性はいいです。
夏の時期の着物や弓道用なんかに特におすすめ。
綿キャラコ
キングオブ白足袋(勝手に認定)。
礼装用として販売されている3,000円前後の白足袋はキャラコのものが多いです。
価格は高めですが、「ペラペラ感」もなく足によくフィットします。
繻子(朱子)
主に黒足袋に使われています。キャラコよりも柔らかいものが多いです。
「黒光りする生地」のせいで黒足袋は好き嫌いが分かれるとの噂。
化繊
足袋のぴったりした感じが苦手という人は、ストレッチ足袋なら違和感が少ないです。
他にも保温性に優れた足袋など機能性を高めたものが多く出ています。
化繊のものは皺になりにくかったり、乾くのが速かったりで扱いやすいのも利点ですね。
麻
そのまんま、麻で作られた足袋。主に夏用。
ビロード
上の「ブロード」とは違います、ビロード。ベルベットとか別珍ともいう。
ふわふわもこもこの冬用足袋です。色足袋が専らなのであくまで普段着用。
正絹
あるんですよ。正絹の超最高級足袋。
婚礼衣装などかなり限定された場面での礼装用足袋です。
これはさすがに普段履きできませんね……。いや、とめませんけど。
晒裏とネル裏
内側、つまり足に触れる素材も「晒(さらし)裏」と「ネル裏」があります。
内側がさらっとした生地のものが晒裏、もこもこした生地のものがネル裏です。
晒裏とネル裏の見た目の違い
ネル裏足袋は温かいので冬に履く人が多いらしいです。
また履いたとき足の形もすこーしですが違って見えます。
特に夏用・冬用の区別はなく通年使えるものなので、足の感覚で好きな方を選びましょう。
こはぜの枚数
こはぜの枚数も「4枚こはぜ」と「5枚こはぜ」の2種類があります。
5枚の方がこはぜ1枚分、足首を深く包みますので、
着物の裾から足首の地肌がのぞいたりしにくいです。
これもほんのちょっとの差ですので、お好みで。
4枚こはぜと5枚こはぜの違い
こはぜが全くない、ほぼ靴下みたいな足袋もあります。
というか「足袋ソックス」っていう名前で売られている。
靴下じゃなくて、これ履くようにしようかな。
その他のいろいろ
足袋は、大きすぎるとくしゃくしゃに見えてしまうので、
靴のサイズと同じか、0.5cm小さいものを目安にして
ぴったり履くのがカッコイイ。
でも、あくまで目安なので、無理して小さいサイズのものを履いて
痛たたた・・・・・・なことにならないように気をつけてください。
袋から出してそのままの足袋は糊が効いているので、
硬くて足になじまず「ちょっと大きめかな?」と思ってしまうのですが、
一度水洗いすると、生地も縮むし糊も落ちてちょうどよく履けます。
新しい足袋を履いて出かけるときは、前々日のお風呂に足袋を持ち込みましょう。
(前日だと乾かないから)
最初に買うのはどれ?
足袋は下着の部類に入りますので、1足だと足りないと思います。
靴下を1足しか持っていない人はいないですもんね。
着物を毎日着るわけじゃないし・・・・・・というのはひとまずおいといて。
ということで、最初に3足用意しましょう。
- キャラコの白足袋
- 黒繻子足袋か紺足袋
- 何か好きな足袋
白と黒を両方揃えといて、あともうひとつ好きなものを加えて3足。
白足袋をもう1足でも、ストレッチ足袋でも、柄足袋でもなんでもOK。
そんだけあれば事足りるはずです。
まとめ
- 足袋は着物用の靴下みたいなもの
- いろんな色や素材がある
- 靴のサイズと同じか0.5cm小さいものを選ぶ
- 履く前に洗って糊を落としておくと履きやすい
- 白と黒と何かで3足用意する
以上、
今回は「足袋」について説明いたしました。
靴下みたいなもんだと思って侮ってはいけません。お洒落は足許からなんて言いますし。
では皆様、良い着物生活を!
かしまさでした。
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