【着物男子のアイテム解説 Vol.3】帯
【この記事は約 4 分で読めます】
着物のアイテムをひとつずつ紹介していくシリーズの第3回、
今回は「帯」について説明していきます。
何が必要なのかはこちらの記事にまとめておきました!
また、「着物男子のアイテム解説」のタグから、
個別のアイテム紹介の過去記事一覧を読むことが出来ます。
帯は着物を留めるだけじゃない
帯の役割といえば、まずは着物を留めること。
着物は前で合わせるようにして着ますが、そのままでは開いてしまうので
腰のところで帯を締めて留めておきます。
実際には、帯の前に腰紐を使って仮止めしますけどね。
しかし着物を留めるだけが帯の役割ではありません。
着流し(袴を履いていない着物姿)では全身を長着が覆っていますが、
つまり上から下まで同じ色柄が続くわけです。
そんな着流し姿のちょうど真ん中にあって、アクセントにもなるのが帯なんです。
帯を締めるだけで、平坦な着物姿がキリッと引き締まります。
更にいうと、実は着物で体に密着したままなのは腰周りだけなんです。
腰に巻いている帯はピッタリと巻き付いていますが、他はゆるくまとっているだけ。
そういう意味でも、着物の着心地を大きく左右する重要なアイテムです。
角帯(かくおび)と兵児帯(へこおび)の2種類があります。
角帯
幅が約10センチ、長さが4メートルくらいの厚めの生地で作られた帯です。
素材は主に綿、ポリエステル、正絹、麻があります。
博多織の「献上柄」とよばれる柄のものがよく見られますが、
それ以外にも無地やらグラデーションやら、絵が描いてあるものも多くあります。

かしまさの持っている家紋柄の「派手な帯」。浴衣とセットになってました。
地味な色柄が多い着物男子のアイテムの中では、結構「遊べる」部分かもしれない。
そして角帯の便利なところは1本ですべて対応できるというところです。
浴衣も、普段着の着物も、紋付き袴でも、ぜーんぶ同じ角帯が使えます。
色柄だとかを言い出したらキリがないんですけどね。
帯結びの方法も様々あります。
着流しなら「貝の口」「片ばさみ」、袴のときは「一文字結び」を覚えておけば充分かと。

「片ばさみ」「一文字結び」
兵児帯
兵児帯は幅が40cmくらいの薄くてシャリシャリした生地で作られています。
縮緬(ちりめん)などの柔らかい素材が多いです。
「締める」というよりも、柔らかい布地を「巻き付ける」ように使うので
ゆったりと着物を着ることが出来、専ら普段着や浴衣に用います。
浴衣に兵児帯を締めたところ
素材は何がいいか
角帯のところで素材について少し触れましたが、それぞれ締め心地に特徴があります。
綿
安価で入手することができ、また天然素材なので体によく馴染みます。
ただ表面が滑りにくいので、締めるときによく力を込めていないと
ゆるゆるになって着心地が悪くなったり、着崩れの原因になったりします。
ポリエステル
こちらも安く買えますし、結構個性的な柄のものも見つけることができます。
綿の帯よりも滑りが良いので、締める時にもあまり力を込めずに済みます。
ただどうしても素材が硬いので、腰に刺さって痛いと感じる人もいるかもしれません。
正絹
体に良く馴染み、滑りもよく、一番使いやすいです。ただし、高価。
かしまさが主に使っているのはヤフオクで安く入手できた正絹の角帯です。
一度慣れたら、もうこれじゃないと、というくらいのお気に入りになりました。
ワンタッチ帯はダメ!
初心者向けのセットなどで、マジックテープで留めるだけで使える
「ワンタッチ帯」なるものが選べることがありますが、オススメできません。
結び方が1種類
たいていのものは「貝の口」という結び方をした形になっています。
帯結びをいくつか先に紹介しましたが、例えば袴を履くときは一文字結びをするので
結局普通の角帯が必要になるんです。じゃあ、最初から普通のにしよう。
「ちょうどいい」は千差万別
また「結ぶ」という動作がなくて簡単ではありますが、
その分締め加減を微調整するようなこともできません。
ちょうどいい締め加減は、自分で締めないと摑めないんですね。
腰に巻いているだけに見えて実は全てのパーツを腰で支える重要な役割でもありますので、
帯がしっくりこないだけでも、着心地が断然違ってきます。
「一時的な目的」のためだけに着物を着るのでなく、
長く着物を楽しむなら絶対に帯は自分で結べるようになりましょう。
帯結びのやり方については、また後日紹介する予定です。
覚えれば全然難しくないです。
「最初の1本」を選ぶなら
といったことを踏まえて、帯の最初の1本なら、綿(または正絹)の献上柄角帯を選びましょう。
先述の通り、角帯なら1本で全てに対応できます。献上柄もまた然り。
色は長着の色に合わせて選びましょう。
アクセントなので結構思い切った色を入れても派手すぎにはならないもんですよ。
長着と帯の組み合わせ方の例
まとめ
- 帯には角帯と兵児帯がある
- 角帯1本あればどんな着物にも使える
- 帯の締め心地が着物の着心地を大きく左右する
- コーディネート的にも遊べるポイント
以上、
今回は「帯」について説明いたしました。
では皆様、良い着物生活を!
かしまさでした。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません