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【着物男子のアイテム解説 Vol.1】長着

2020/04/12

【この記事は約 11 分で読めます】

ざっくりと「着物男子になるために何が必要か?」について紹介したので、
それぞれのアイテムについて、ひとつひとつ詳しく解説していきます。

何が必要なのかはこちらの記事にまとめておきました!

また、「着物男子のアイテム解説」のタグから、
個別のアイテム紹介の記事一覧を読むことが出来ます。

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着物の本体が「長着」

ということで、着物の本体つまり長着です。
長着すなわち物。
短い着物もあるのかというとあるんです。半着(はんぎ)という名前です。

この「半着」は主に袴を履くときに着るもので、名前の通り長さが半分。
腰くらいまでしかないので、これ単体では着られないものです。

長着
半着

とりあえず、着物の本体=長着です。

袷か単かは気温によって選ぶ

長着に限らず襦袢や袴にも当てはまることではありますが、
裏地が付いている(袷:あわせ)と裏地が付いていない(単:ひとえ)があります。
裏地が付いている方が温かいですから、主に寒いとき用になります。

内側に全部裏地が付いているものを総裏(そううら)仕立て、
袖以外(胴部分)だけに付いているものを胴裏(どううら)仕立てと呼ぶこともあります。

1枚の着物で、季節によって裏地を付けたり外したりすることで
同じものをほぼ1年着通すこともできなくはないのですが、
現在は袷と単をそれぞれ用意するのが一般的です。
かつて、江戸時代くらいまでは
そうやって裏地を付けたり外したりする方が普通でした。

袷(あわせ)
単(ひとえ)

要するに寒いときに着るのは袷、暖かいときには単です。
夏は単でも暑いので用に、「絽:ろ」とか「紗:しゃ」などと呼ばれる生地のものを着ます。

絽(の羽織)。小さな穴がたくさん空いていて通気性がよくなっています。

着物の本などを見ると、衣替えの時期が
厳格な決まり事のように書いているものもありますが、
快適に過ごせなけりゃ衣服としての意味がありませんので、適宜調整してください
最近の夏は特に命に関わる暑さだったりしますので、ほんとヤバいです

一応、6月と10月が衣替えの時期とされていますので、
10月~5月が袷、6月~9月が単(7月8月は夏物)ということになります。
しかし少なくとも普段着では、6月まで単がダメな訳ではないです。

会社の服飾規定でもない限り、何を着ても自由なのと同じく、
本来の衣替えは、貴族や武家の仕事着を規定するものだったんです。

普段着か礼装かの区別

長着と一口に言っても、その形は普段着用のものと礼装用のものでほとんど同じですが、
紛らわしいようで区別するポイントは簡単です。

家紋が付いているものは礼装用

「家紋(かもん)」とは……

紋付袴姿の人を見ると、胸のあたりに白く染め抜かれたマルが2つあるのが分かります。
(更に言うと、袖の裏にも2つ、そして首の後ろにも1つ、全部で5つあります)
マルの中に紋様が描いてあって、それが家紋です。
ピンときていない方は、サイドバーの「著者」の写真を見てください。

家紋の一例。「丸に剣方喰」といいます。かしまさの家の家紋。

家紋は名前の通り「家を表す紋章」で、戦国武将の幟旗などに使われていました。
そういうものを着物に入れるのは、つまり改まった場に着ていくものだからです。

だから家紋が入った着物はすべて礼装用です。普段着ではない。
家でゴロゴロするのにスーツ着ちゃう感じ。

つるすべ生地はよそ行き用

もうひとつは家紋ほど断定的ではありません。
というのも「家紋が入ってなければ礼装以外」なので、
「礼装以外はなんでも普段着になりうる」ということだからです。

礼装としてスーツやタキシードなど「ビシッと決める」服がありますが、
それ以外の「ビシッと決める時じゃない」服ってつまり、普段着のことですもんね。
家紋が入っていない長着なら、カッコイイと思ったものを自由に選んで良いんです

ただ、普段着の中にも完全なる部屋着からちょっとよそ行きまで幅があるのも事実。
そこで、つるつるすべすべした生地はよそ行き用と、ざっくり認識しておいてください。
詳しくなってくると綸子(りんず)とか御召(おめし)とか、
生地の名前で判断できるようになりますが、とりあえずざっくり。
そういうものはだいたい光沢があって手触りが良いですし、
手に取ると明らかに違います。素材も十中八九、正絹です。

でも「たまに着物を着るなら良いものを着たい!」ということであれば、
敢えてそういうものを選んでいくのも、ひとつのスタイルだと思います。
かしまさもそういうつるつるの感触が好きですし、
すべすべに触っていたくて着物を着ていると、言えなくもない。

初めての1枚なら化繊の紬

と言ったところで、初めての1枚におすすめなのは、
化繊(ポリエステル)素材で紬風生地の長着です。

紬(つむぎ)は絹織物の種類のひとつで、カジュアル用の着物に多く使われています。
洋服で言えば、デニム生地みたいな位置づけ。

蛇足ですが「デニム生地の着物」というのも出ています。
今思いつきで書きましたが、最初の1枚にするのも悪くないかも知れない。

ネット通販等でよく見かけるものがそれです。
単・袷の両方とも用意があり、色もたくさんあります。

色や柄はどれがいい?

実際に通販サイトを見てみると、様々な色や柄があって、
「どれを選んだらいいんだ?」と思うかも知れません。

自分の好きな色・好きな柄を選んで間違いないです!

というのも、男の着物は女性に比べて全体的にそもそも地味なのです。
全体に絵がドーンと描いてあるような柄(絵羽柄)はほぼ皆無で、
ほとんど全てが無地のものか、小紋と呼ばれるパターン柄です。
あとはあるとしてグラデーションとか。

つまり派手すぎるかな? と思うものを選んでも失敗の可能性が少ない

定番(無難)とされている色は茶色くすんだ緑などですが、
こういう色だけが男の着物の全てではありません。
渋すぎる(もっと開けっぴろげに言えばオジサン臭い)と感じるならば、
それ以外の自分の好きな色から始めてみましょう!
赤だとか淡色系のものも売られています。かしまさは今ピンクが欲しい。

あまりに攻めすぎたドギツイ色を選ぶとコーディネートに困りますが、
(マツケンサンバでも踊るのか?! っていうくらいにギラギラのゴールドだとか)
まずは気になったものを選んでみましょう。
だんだんいろんな色を増やしていくと良いと思います。

かしまさの手持ちのものから

まとめ

  • 長着とは着物の「本体」のこと
  • 袷と単(裏地ありなし)は寒暖に合わせて選ぼう
  • 家紋が付いているものは礼装用
  • まず1枚買うならポリの好きな色のやつがオススメ

 

以上、
今回は着物の本体「長着」について説明いたしました。

では皆様、良い着物生活を!
かしまさでした。